社長の給料、いくらが適正か。役員報酬の決め方と注意点
社長の給料(役員報酬)の適正額の決め方を解説。会社の利益・税金・社員との差・資金繰りの4つの視点で判断基準を整理します。
社長の給料は「いくらでもいい」わけではない
自分の給料を自分で決められるのは社長の特権です。しかし、高すぎれば会社の資金繰りが悪化し、低すぎれば個人の生活と税金で損をする。
適正額は「会社の状況」によって変わります。一律の正解はありません。
役員報酬を決める4つの基準
基準1: 会社に残すべき利益から逆算する
まず「会社に年間いくら利益を残したいか」を決める。借入返済額+設備投資+運転資金の積み増し。それを引いた残りが、役員報酬に回せる金額です。
基準2: 法人税と所得税のバランス
法人税率と個人の所得税率を比較し、トータルで税負担が最小になるラインを探します。一般的に、法人利益800万円までは法人税率が低いため、そこを超える分を役員報酬に回す考え方があります。
基準3: 社員の最高給与との差
社員の最高給与の2〜3倍が目安とされることがあります。差が大きすぎると社員のモチベーションに影響し、小さすぎると社長のリスクに見合わない。
基準4: 資金繰りへの影響
役員報酬は毎月の固定費です。資金繰りが厳しい月でも払い続ける必要がある。キャッシュに余裕がない会社は低めに設定し、賞与で調整する方が安全です。
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期首3ヶ月以内に決める
法人税法上、役員報酬(定期同額給与)は事業年度開始から3ヶ月以内に決定し、期中は変更できません。安易に上げ下げすると損金不算入になります。
業績悪化の場合は例外あり
経営状況が著しく悪化した場合は期中の減額が認められます。ただし税務署に説明できる根拠が必要です。
よくある判断ミス
ミス1: 節税目的で高くしすぎる
法人利益を減らすために報酬を上げすぎると、社会保険料が跳ね上がり、手取りはそれほど増えない。
ミス2: 創業期に高く設定する
売上が安定しない時期に高い報酬を設定すると、資金繰りが一気に悪化します。
ミス3: 税理士に丸投げする
税理士は税金の最適化は提案してくれますが、会社の成長戦略は考えてくれません。「いくら稼ぎたいか」ではなく「会社をどうしたいか」から決めるべきです。
判断に迷ったら壁打ちを
「今の報酬額は会社の利益に対して適正か」「来期は上げるべきか」。こうした判断は、自社の数字を踏まえて考える必要があります。