組織づくり
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退職金制度の作り方。小さな会社でも導入できる3つの選択肢

退職金制度がない会社は人材採用で不利になる。中小企業退職金共済、確定拠出年金、社内積立の3つの方法を比較し、導入手順を解説します。

KeiBan編集部

退職金制度がないと何が起きるか

「退職金はありますか?」——採用面接で聞かれて「ありません」と答えた瞬間、候補者の志望度は下がります。特に30代以上の中途採用では、退職金の有無は判断材料の上位に入ります。また、退職金制度があることで社員の長期勤続を促す効果もあります。

採用面接のポイント

3つの退職金制度の比較

1. 中小企業退職金共済(中退共)

国の制度で、最も多くの中小企業が利用しています。

メリット:掛金は全額損金算入(経費)。国から掛金の一部が助成される(新規加入時)。運用は機構が行うため、会社の負担は毎月の掛金のみ。

デメリット:掛金は月5,000〜30,000円(社員1人あたり)。一度始めると減額が難しい。社員が短期で退職しても返金されない。

導入手順:最寄りの金融機関で申込書を入手 → 掛金を決定 → 申込み → 翌月から引落し開始。手続きは1週間程度です。

2. 企業型確定拠出年金(企業型DC)

会社が掛金を出し、社員が自分で運用先を選ぶ制度です。

メリット:掛金は全額損金算入。社員にとっては運用益が非課税。転職しても持ち運べる(ポータビリティ)。

デメリット:導入コスト(初期費用10〜50万円、月額管理費が社員1人あたり数百円)がかかる。社員への投資教育が必要。運用リスクは社員が負う。

向いている会社:社員の平均年齢が若く、転職市場での競争力を高めたい会社。

3. 社内積立(退職給付引当金)

会社が独自に退職金を積み立てる方法です。

メリット:制度設計の自由度が高い。勤続年数や役職に応じて柔軟に設定できる。

デメリット:積立金は会社の資産であり、業績悪化時に取り崩すリスクがある。引当金の計上が必要で、会計処理がやや複雑。社員にとっては「本当にもらえるか」の不安が残る。

向いている会社:すでにある程度の内部留保があり、制度を自由に設計したい会社。

どれを選ぶべきか

初めて退職金制度を作るなら

中退共がおすすめです。手続きが簡単で、掛金も月5,000円から始められます。国の助成金も使えるため、導入コストが最も低い選択肢です。

採用競争力を高めたいなら

企業型DCは「運用益非課税」「転職時の持ち運び」が魅力的で、若い人材に響きます。ただし導入・運用コストがかかるため、社員数20名以上が目安です。

柔軟な制度設計をしたいなら

社内積立は自由度が高いですが、資金管理の責任も会社が負います。中退共や企業型DCと組み合わせる「二階建て」方式も検討に値します。

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退職金の金額の目安

勤続年数と役職によって異なりますが、社員数50人以下の企業の場合、以下が1つの目安です。

勤続10年:100〜200万円 勤続20年:300〜500万円 勤続30年:500〜800万円

これは「自己都合退職」の場合で、「会社都合退職」は1.2〜1.5倍が一般的です。

導入時の注意点

就業規則への記載

退職金制度を導入したら、就業規則に「退職金の支給条件、計算方法、支払方法」を明記する必要があります。

就業規則の作り方

全社員に適用するか

正社員のみ、勤続3年以上のみなど、適用範囲を明確にします。ただし、合理的な理由のない差別は避けてください。

資金繰りへの影響

退職金は一時に大きな支出になります。中退共や企業型DCなら毎月の掛金として平準化されるため、資金繰りへの影響が読みやすくなります。

資金繰り表の作り方

まとめ

退職金制度は「コスト」ではなく「投資」です。社員の長期勤続を促し、採用競争力を高める効果があります。まずは中退共で月5,000円から始めてみてください。社員に「この会社には退職金制度がある」と伝えるだけで、帰属意識が変わります。

Supervisor

この記事の監修者:齋藤 翔平(中小企業診断士)

中小企業診断士(令和7年登録) / 会計専門・経営企画。財務・戦略・マーケティング・運営管理・法務など、中小企業診断士の知識体系をもとに、KeiBanのAI相談テンプレートと記事コンテンツを設計・監修しています。

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